ISDN(INS)回線停波に伴う伝送サービスの移行先は!?

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こまったくん
2023年でISDN(INS)回線が停波してしまうってNTTから通知が来たよ。。。どうしたらいいんだろう。。
Jシス レッド
ADP、VALUX、IB等色々な選択肢があるぞ!それぞれの特徴を見てみよう!
このページで解決すること・出来ること
従来のISDN(INS)回線を使った伝送サービスの移行先としてどんなサービスがあるかわかる!

2023年にISDN(INS)回線が停波する事になり、これらを使った金融機関とのやり取りができなくなります。
代替案としてどういったものがあるかご紹介します!

目次

どんな移行先があるのか?

厳密にはサービスではなく回線や仕組みを指すものもありますが、以下がISDN(INS)回線の代わりになる移行先の候補となります。

  1. AnserDATAPORT
  2. VALUX
  3. インターネットバンキングサービス
  4. その他(ファイルストレージSFTP)
スクロールできます
サービス名AnserDATAPORTVALUXSFTPインターネットバンキングファイルストレージ
プロトコル全銀TCP/IP手順httpsSFTPhttpshttps
回線/サービス専用線(Connecure)インターネット
※NTTデータが提供する電子証明書を利用した端末認証サービス「VALUX」の申し込みが必要
インターネット
※別途SSL証明書など必要な場合有。
インターネットインターネット
特別なアプリケーションが必要か新規導入が必要新規導入が必要新規導入が必要ブラウザさえあればOKブラウザさえあればOK
FAX必要/不要不要金融機関次第必要不要(なはず)必要
自動化するならばサーバー型システム導入 / RAPRAPRAPRAPRAP
メリット・閉域網を利用する為、セキュリティ水準は一番高い。・インターネット回線以外の特別な回線不要。
・1つのシステム(アプリ)で各金融機関の操作できる。
・IBのように各金融機関それぞれでログインする必要がない
・導入コストが低い割にそこそこの速度とセキュリティ性を担保している。
・インターネット回線以外の特別な回線不要。・インターネット回線以外の特別な回線不要。
・ブラウザのみで利用できる為、特別なシステム(アプリ)を導入する必要がない。
・インターネット回線以外の特別な回線不要。
・ファイルのアップロード/ダウンロードのみの機能の為、操作性がシンプル。
デメリット・対応システム(アプリ)の導入が必要。
・高額なADP(Connecure)の契約が別途必要。
・対応システム(アプリ)の導入が必要。
・VALUXの契約が別途必要。
・対応システム(アプリ)の導入が必要。
・セキュリティに関しては取引会社に依存する為、別途用意が必要。
・金融機関ごとにログインする必要がある。
・金融機関ごとにインターフェースが違う。
・ユーザー権限を制限するような管理機能がない可能性がある。

①AnserDATAPORT (最も安全で伝送スピードも早いが月額コストが高い)

「AnserDATAPORT」は、専用線を使用したセキュアなコンピュータバンキングサービスです。特に企業間での大量のデータ転送や重要な金融取引に適しており、以下のような特徴があります。

  • 専用線の利用: ADPは専用線を通じてデータ通信を行います。これにより、インターネット回線を使った環境よりも高いセキュリティを確保できます。
  • サーバー設置が必要: このサービスを利用するには、ユーザー側でサーバーを設置し、それをADPのネットワークに接続する必要があります。
  • 高度なセキュリティ対策: 専用線を使用する事で、外部からの不正アクセスリスクを大幅に減少させます

AnserDATAPORTなら基幹システムと連携できる。

AnserDATAPORT(ADP)は、基幹システムと自動で連携が可能です。

  • 基幹システムとの直接連携: ADPは基幹システムと直接連携することが可能で、これによりデータ転送を自動で行うことができます。例えば、販売管理システムや経理システムから直接銀行取引が行えるようにシステムを設計することが可能です。
  • 自動化による効率化: 基幹システムとの連携により、手動でのデータ入力の必要が減少し、ヒューマンエラーを防ぐと同時に作業の効率が向上します。

これに対して、「VALUX」は基幹システムとの直接連携には特化しておらず、主にクライアントソフトやWEBアプリを操作する事でデータ伝送を可能とします。
ただし、シンプルな構成の為、RPAを使って自動化する事は比較的容易です。。

ADPならデータ伝送前のFAXが不要!

通常、口座振替などのデータを伝送する前に件数や金額を記した書面を金融機関にFAXする必要がありますが、ADPは代わりとなる「照合データ」が送信される為、FAX不要です。

ただし、専用線を使う分、月額コストは高い。

専用線を使う分、安全で早く伝送する事が可能ですが、その分他の代替サービスと比べてかなり割高になります。大量のデータを取り扱う事がない&基幹システムと自動連携できなくて良いのであれば、VALUXやインターネットバンキングを利用した方が費用対効果は高いかもしれません。

②VALUX (費用対効果を考えると1番バランスがいいサービス)

VALUXは従来のISDN回線を使った伝送サービスの後継と言えるサービスです。
従来の伝送サービスやADPとの違いとしてはVALUXはインターネット回線を利用する為、新たな回線を契約する必要がありません。

また、従来同様クライアントソフトを利用する事で、同様の操作性で複数の金融機関に対してデータ伝送する事が可能です。
インターネットバンキングでは金融機関ごとにログインしたり、操作性が違うといった課題がありますが、VALUX対応のクライアントソフトを導入した場合、同一の画面・操作で複数金融機関の操作が可能となります。

ある程度規則性があるため、RPAを使って半自動化する事も可能です。

  • マルチバンク対応: VALUXは、一つのプラットフォームで複数の金融サービスを管理できます。これにより、ユーザーは複数のアプリケーションやサービスを使い分ける必要がなく、一元管理が可能になります。
  • リアルタイム処理の高速化: VALUXのシステムはインターネット回線を利用する事で高速な通信が可能です。
  • 高度なセキュリティ: 電子証明書を使った通信をする事で、ユーザーの資金と情報の安全が確保されます。

VALUXで利用するアプリはインストール型とWEB型がある。

VALUXで利用出来るアプリは、パソコンにインストールするタイプ(例えばEBnext2)やWEBアプリタイプのHawkeyeがあります。

Hawkeye

ブラウザさえあればHawkeyeを利用できますが、所謂サブスクリプションサービスの為、VALUXの利用料とは別にサービス利用料がかかります。

EBnext2

EBnext2の場合は買い切りアプリの為、一度購入すれば個別に結んだ保守費以外のランニングコストは不要です。
また、操作性もISDN時代のクライントソフトと似ています。
違いとしてはアプリケーション起動時に本体のログインID・パスワードが必要な事と、各金融機関への伝送時にIDとパスワードが別途必要な事くらいです。
※後者、アプリケーションに関係なく必要。

③インターネットバンキング (取り扱い金融機関が少なければオススメ)

月額コストも安価でインターネット回線さえ使えれば利用可能な為、取り扱っている金融機関の種類が少ない場合はオススメです。
取り扱い金融機関が多い場合は、金融機関ごとに操作性が違う上にその都度ログインが必要な為、手間がかかる場合があります。

また、セキュリティ対策としては、画面上に表示されるバーコードを読み取ってワンタイムパスワードを専用端末に表示するハードウェアトークン型や電子証明書を使ったものなどがあります。

  • アクセシビリティ: インターネットバンキングは、インターネットが接続されている限り、世界中どこからでもアクセスが可能です。これにより、銀行の営業時間や地理的な制約に縛られることなく、24時間365日、自由に銀行取引が行えます。
    但し、電子証明書を利用する場合は、証明書をインストールしたパソコンでないと取引する事はできない為、状況によりその端末へリモート接続するなどの対応が必要になります。
  • セキュリティ対策: セキュリティはインターネットバンキングの最も重要な要素の一つです。多要素認証、SSL暗号化技術、定期的なセキュリティ更新といった対策が施されており、ユーザーの情報と資金の安全を保護しています。
  • 即時性と透明性: インターネットバンキングを利用すると、取引の状況や履歴をリアルタイムで確認でき、管理が容易になります。

④その他(ファイルストレージ、SFTP)

それ以外の選択肢として、クラウドサービスのようにファイルストレージに直接データをアップロードする場合や、SFTPや広域IP網を使ったデータのやり取りをする場合があります。

SFTPとは?

SFTP(SSH File Transfer Protocol)は、安全なファイル転送プロトコルの一種です。通常のFTPよりもセキュリティが高く、暗号化された通信を提供します。これにより、ファイルを安全に送受信することができます。一般的に、サーバーとクライアント間でのファイル転送に使用されます。

まとめ

大量のデータのやり取りや基幹システムとの連携が必要でかつ潤沢な費用がある場合は「ADP」、そこまでは必要ないが従来通りの操作性でデータ伝送したい場合は「VALUX」、なるべく安価に環境に依存しない形でデータ伝送したい場合は「インターネットバンキング」を利用すると良いです。

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